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ボツリヌス菌と辛子蓮根での食中毒

H 感染症

こんにちは、ちちもげです。

九州物産展をうろうろしていたら、熊本名産の「辛子蓮根」が販売されているのを発見しました!

医学生なら、辛子蓮根といえば「ボツリヌス菌」を思い浮かべることと思います。

今回は辛子蓮根に絡めて、ボツリヌス菌について勉強していきましょう。

ボツリヌス菌

※画像は日本食品衛生協会より

ボツリヌス菌はクロストリジウム属グラム陽性桿菌で、多くは土壌内に存在しています。

覚えておきたい特徴は3つ!

  • 偏性嫌気性菌
  • 芽胞を形成する
  • 外毒素(神経毒素)を産生する

偏性嫌気性菌

偏性嫌気性とは、酸素が「ある」と生きられない性質のことです。

すなわちボツリヌス菌の生存には真空環境が必須となります。

 

MORE偏性嫌気性にはウェルシュ菌、破傷風菌、バクテロイデスなどがあります。

芽胞を形成する

クロストリジウム属やバシラス属(炭疽菌など)は、菌の周りに「芽胞」と呼ばれる構造を持ちます。

そのため高温や消毒薬に対してもかなりの耐性を持ち、殺菌が難しい原因になっています。

 

POINT芽胞を形成する菌

ゴロ「芽胞の上(ウェルシュ)は(破傷風)セレクト(セレウス)ボ(ボツリヌス)タン(炭素)で(ディフィシル)」

クロストリジウム属とバシラス属です。

外毒素(神経毒素)を産生する

ボツリヌス菌は毒素を産生して菌体外に放出し、食中毒を引き起こします。

また神経終末においてAchの放出を不可逆性に阻害し、四肢を中心とした弛緩性麻痺を引き起こします。

もちろん副交感神経作用も低下するため、散瞳、眼瞼下垂、対光反射の消失などもおこります。

 

MORE外毒素を産生する菌

ボツリヌス菌以外にも、破傷風菌(神経毒素)、コレラ菌(コレラ毒素)、病原性大腸菌(ベロ毒素)、黄色ブドウ球菌(腸管毒素、毒素性ショック症候群毒素など)などがあります。

辛子蓮根でボツリヌス中毒が起きるのは何故か

1984年の事件では、辛子蓮根によるボツリヌス中毒で11人も死亡しています。

その原因として、

  • 土壌から掘り出した蓮根に芽胞状態のボツリヌス菌が付着
  • ボツリヌス菌は芽胞を形成しているため、一般的な消毒では死滅しなかった
  • 真空パック内という嫌気性の環境が好ましく、中で発芽し、毒素を放出した
  • 辛子蓮根を食べた人達はボツリヌス毒素も一緒に摂取した

辛子蓮根は、ボツリヌス菌の特徴と悪い意味で噛み合ってしまった例の1つなんですね。

 

MORE乳児ボツリヌス症

腸管細菌が未発達な乳児(〜1歳)では、ハチミツ内のボツリヌス菌によって、乳児ボツリヌス症を引き起こします。

治療と予防

菌体と違って毒素は易熱性のため、ボツリヌス食中毒の予防方法は「よく加熱する」ことです。

また既にボツリヌス中毒になってしまった場合は、対症療法の後、早急に抗(ボツリヌス)毒素(ウマ)血清を打ちましょう。

ボツリヌス菌は現在ワクチンがありません!

 

MORE血清病

異種血清を投与することでおこるⅢ型アレルギー。発熱や発疹をきたすが、自然軽快する。

まとめ

個人的には辛子蓮根はあまり食べたくないですね(辛そう)。

同じ嫌気性菌の破傷風菌についても勉強しておくといいと思います!

おまけ:芽胞を形成する菌のゴロ

芽胞の上はセレクトボタン

芽胞の→芽胞形成菌

上→ウェルシュ菌

は→傷風菌

セレクト→セレウス菌

ボ→ツリヌス菌

タン→疽菌

※緑色はクロストリジウム属、青色はバシラス属。

偽膜性兆円で有名なC.ディフシィル菌は最近クロストリジウム属から外れた。

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