咽頭と喉頭の解剖(復習)

国立がん研究センター より引用
まずは場所の復習です。
場所の感覚が掴めたら、喉頭鏡やMRIでの見え方も押さえましょう。
喉頭ファイバースコピー
経鼻喉頭内視鏡では、以下のように構造が見えます。
ポイントは、下咽頭癌と喉頭癌の鑑別です。
梨状陥凹や咽頭後壁にあれば下咽頭癌です。
喉頭蓋と披裂部に囲まれている声門周辺であれば喉頭癌です。
喉頭内視鏡での構造の見え方は大事なので覚えておきましょう!
ちなみに、口を開けてもらって肉眼で見える癌は中咽頭癌です。
頸部MRI
ザックリと、どのスライスがどの部分に当たるかを押さえましょう。
鼻や耳の穴が写るレベルであれば、上咽頭癌。
下顎骨や舌が写るレベルであれば、中咽頭癌。
私はこれしか覚えていませんが、なんとかなってます。
上、中咽頭と繋がる太さであるのは下咽頭よりむしろ喉頭だという事がスライスを移動させるとよく分かります。
下咽頭は食道に繋がるため、通常時はほぼ閉じてるんですね。
その他の特徴
上咽頭癌
原因はEBV感染です。
耳管咽頭口を塞ぎ滲出性中耳炎を合併するので、耳閉塞感が症状として現れます。
リンパ節転移が早期から起こります。
中咽頭癌
原因はHPV感染が疑われています。
重複癌が起こりやすく、下咽頭・喉頭癌を合併します。
下咽頭癌
原因は飲酒、喫煙などです。
声門に浸潤すると嗄声、気道閉塞をきたします。
食道癌を合併しやすく、頭頸部がんの中で最も予後が悪いとされています。
喉頭癌
声門上、声門、声門下と厳密には分かれます。
声門癌は嗄声をきたすので気づかれやすく、周囲にリンパ節組織がないので転移もしにくく、予後は良好です。
おまけ
基本の治療は全て放射線療法(追加で化学療法)です。
進行例では摘出→再建という方法もあります(ただし上咽頭癌は解剖学的に手術困難)。
総合試験でこの手の問題をめちゃくちゃ間違えて悔しかったので、皆さんは先に対策しておいてください!