GFR測定に使う物質
ゴロ「犬に血をくれぇ」
犬=イヌリン
血を=チオ硫酸ナトリウム
くれ=クレアチニン
え=エデト酸(EDTA)
解説
上記の物質は尿細管で分泌・再吸収されない(と近似)できます。
したがって、物質のクリアランスを測定することで、尿量から算出した原尿量=GFR(糸球体濾過量)を算出することができます。
※GFRの基準値は100〜120mL
4つの中ではイヌリンが正確で、国際的な基準とされています。
しかしイヌリンに加えて、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸などは「外因性物質」であるため、ヒトに投与したうえで蓄尿検査をしなければなりません。
一方、クレアチニンは「内因性物質」で、元から体内に存在するため蓄尿検査をするだけでOKです。
正確性は劣りますが簡便であるため、一般的なGFR測定にはクレアチニンが使われています。
おまけ:クリアランス
クリアランスとは、「ある物質が単位時間あたりに完全に除去される血漿量」です。
すなわち、(尿中濃度/血中濃度)×尿流量〔ml/分〕で表されます。
究極にいうと、その物質の排泄(クリア)されやすさです。
eGFRの規定因子
ゴロ「CGA」
C=血清Cr
G=Gender(性別)
A=Age(年齢)
解説
GFRを求めるには蓄尿検査が必要ですが、eGFRは血液検査のみ(血性Crを計測するため)で簡単に求めらるため、臨床ではこちらが多用されます。
ちなみに子供のeGFRは、加えて「体表面積」を考慮して計算します。
ゴロは慢性腎臓病の重症度分類(CGA分類)ともじりました。
CGA分類の方は、Cause、(e)GFR、Albnminuriaなので混同しないようにしてください。
おまけ:シスタチンc(Cys-c)
2012年に報告された新しい方法で、血清Crの代わりに血清シスタチンc(Cys-c)を計測することでもeGFRを算出できます。
Crと違って筋肉量の影響も受けず、腎障害でCrよりも早期に上昇するため有用です。