大前提
- 2型糖尿病患者に用いる=インスリンは分泌されているが、少ないor効きが悪い(抵抗性)
- まず運動療法と食事療法を行い、その上でコントロール不良時に用いる
- 妊婦・挙示希望の患者、腎障害のある患者には投与しない
- 経口血糖降下薬でもコントロール不良なら、最悪インスリン使用
種類と作用機序

糖尿病治療ガイドライン2010より引用
インスリン分泌促進系
インスリンは分泌されているが、基礎分泌量が非常に少ない場合に用います。
ゴロ「するする出しちゃうインスリン」
スルホニル尿素(ウレア)薬=SU薬は、インスリンの基礎分泌を促進します。
古くからある薬です。
薬の効きすぎによる低血糖が副作用となります。

オイグルコン®
ゴロ「インクレチンはいい子でちん」
DPP-4阻害薬(インクレチン関連薬)は、血糖に応じてインスリン基礎分泌を促進します。
インクレチン、めっちゃいい子です。
新しい薬です。
SU薬と違って、血糖に応じて分泌をコントロールするので低血糖が起こりづらいです。
ちなみに注射薬のGLP-1受容体作動薬もインクレチン関連薬です。

ジャヌビア®
食後血糖改善系
基礎分泌は保たれているが、食後に一過性に上がる血糖値に対応できないような場合に使います。
ですので、必ず食直前に飲みます。
ゴロ「すぐ出ちゃうほど、フェラGOOD」
※下ネタすみません※
フェニルアラニン誘導体(グリニド薬)は、SU薬と同じくインスリン分泌を促進しますが、効果がとても速く一過性です。
速効性インスリン分泌薬とも呼ばれます。

グルファスト®
ゴロ「糖をグルグル阻害する」
α-グルコシダーゼ阻害薬と、SGLT2阻害薬は、機序は違いますがどちらも糖の吸収を抑えます。
α-グルコシダーゼ阻害薬は小腸から糖の吸収を抑えます。副作用は消化管の不調(腹部膨満、下痢)が多いです。
SGLT阻害薬は尿細管から糖の再吸収を抑えます。副作用は腎尿路系の不調(脱水、尿路感染)が多いです。

SGLT2阻害薬・スーグラ®
おまけ:スージャヌ®
SGLT2阻害薬であるスーグラ®とDPP-4阻害薬(インクレチン関連薬)であるジャヌビア®の合剤「スージャヌ®」が2018年に発売されました。
めっちゃ新薬です。

残された「グラ」「ビア」の気持ちを考えろ。
インスリン抵抗性改善系
インスリンの分泌は保たれているが効かない場合(肥満患者が多い)に使います。
ゴロ「ビッグな目と乳はヤバい」
ビグアナイド薬(メトホルミンなど)は脂肪組織や筋肉などのインスリン抵抗性を改善するのに加えて、糖新生の抑制もします。
糖新生では乳酸を分解して糖を作るため、この機序を阻害することで重篤な副作用の「乳酸アシドーシス」になることがあります。
したがって、以下のような状態で投与するのは禁忌です。
- 大量飲酒(113回国試)
- ヨード造影剤を用いた検査(112回国試)
- 肝機能障害、腎機能障害
- 脱水

メトグルコ®
ゴロ「水で膨れたチアガール」
チアゾリジンもビグアナイド薬と機序は違えど同じ作用を持ちます。
副作用は水を溜め込むような、浮腫による体重増加、心不全です。

アクトス®
おまけ:心不全の改善をするもの
チアゾリジンは副作用が心不全でしたが、逆にSGLT2阻害薬とGLP-1は心不全改善に有用であるとされています。
Naを体外に排出する作用があるためだそうです。
これは、(心不全に効くなんて)「す(S)ぐ(G)れ(L)ている」で覚えましょう。
まとめ
長くなってしまいましたが、以上になります。
特に副作用は大事そうです!しっかり覚えましょう!!