H 感染症

ヘルペスウイルスの学名番号と対応する疾患の覚え方

H 感染症
この記事は約4分で読めます。
スポンサーリンク

ヘルペスウイルス

ヒトヘルペスウイルス(HHV)は、DNAウイルスで、学名において番号が1〜8まで存在する。

覚え方「ヘルペスウイルスは8文字なので、8番まで

そのほかのDNAウイルスはこちらから。

DNAウイルスとノンエンベロープウイルスのゴロ・覚え方
ウイルスの構造 ウイルスの基本構造は核酸(DNAまたはRNA)とカプシド(タンパク質の殻)。 さらに外側を脂質二重膜(エンベロープ)に包まれたものと、包...

番号と疾患名の対応を覚えるゴロ

ゴロ「ヘルプ!淡水でサメが突然カプッ!」

ヘルプ→ヘルペスウイルス

淡→純ヘルペスウイルス(HSV)=HHV1.2

水→痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)=HHV3

で→染性単核球症(EBウイルス)=HHV4

サメ→イトメガロウイルス=HHV5

突然→発性発疹症=HHV6.7

カプッ→カポジ肉腫=HHV8

それぞれの特徴

HHV1.2

初感染時は歯肉口内炎をおこしやすい。

以降は神経節に潜んだウイルスがストレスによって再活性化して口唇ヘルペス性器ヘルペスなどの水疱症を反復する。

ちちもげ
ちちもげ

唇にできたことあるけど、ピリピリして痛いんだよな~

ほかの水疱症との鑑別は、Tzanck試験で巨細胞(balloon cell)がみられること。

また、アトピーに合併してKaposi水痘様発疹症(広範囲の水疱症)をおこす。

角膜ヘルペス、ウイルス性髄膜炎(→側頭葉に後発する脳炎)、Bell麻痺の原因でもある。

アトピーの合併症のゴロ

アトピーなのか?

な=伝染性属腫(みずいぼ) byポックスウイルス

の=伝染性痂疹(とびひ) by黄色ブドウ球菌、A群β溶連菌

か=Kaposi水痘様発疹症 byヘルペスウイルス

HHV3(VZV)

空気(飛沫核)感染するため、原則個室管理。

小児が初感染すると水痘(水疱瘡)、成人がストレスやHIV感染、悪性腫瘍などの免疫低下時に再活性化すると帯状疱疹となる。

水痘では、発熱と同時に全身性の皮疹がみられ(紅斑→丘疹→水疱→膿疱→痂疲化)、1週間ほどで治癒する。

帯状疱疹では、片側性に肋間神経に沿った皮疹がみられる。

▼114A44「右胸部の疼痛を伴う皮疹」

また、膝神経節のVZVが再活性化すると、Ramsay-Hunt症候群(顔面神経麻痺+内示神経麻痺)をおこす。

発熱と同時に皮疹がでる疾患

ドジな水夫、ある日JRに乗る

ドジ→(発熱と皮疹が)同時

水→

夫→

J→JIA(若年性特発性関節炎)

R→RF(リウマチ熱)

水痘の皮疹の変化順

ピーマンにんじんは、高級水農家

ピーマンにんじん→ピじん→皮疹(厳しいか…)

高→

級→

水→

農→

家→疲化(経過すべてで1週間)

HHV4(EBV)

伝染性単核(球)症=kissing disease(唾液感染するため)の原因。

異形リンパ球(単核球)が上昇し、咽頭痛発疹肝脾腫がみられる。

現在感染の診断はVCA-IgM、既感染の診断は抗EBNA抗体を測定する。

またEBVは、悪性リンパ腫や上咽頭癌の原因にもなる。

咽頭痛を訴える疾患3つのゴロ(考え中)

  • アデノウイルス
  • A群β溶連菌
  • 伝染性単核球症

HHV5(CMV)

サイトメガロウイルスが日和見感染し、肝炎・腸炎・網膜症がおきる。

病理像でフクロウの目(核内封入体)が特徴的。

伝染性単核球症様の症状がみられることも。

TORCH症候群のひとつとして先天性サイトメガロウイルス感染症をおこし、児が水頭症や小頭症になる。

先天性CMV感染症の症状のゴロ

斎藤の話、少々カタい

斎藤→サイトメガロウイルス

は→白内障

な→(感音)難聴

し→小頭症(水頭症)

少々→血小板減少

カタい→脳内石灰化

※脈絡網膜炎、黄疸なども

HSV6.7

  • 突発性発疹症
  • 薬剤性過敏症症候群(DHIS)=薬疹の一種

HHV8

  • Kaposi肉腫(AIDSに合併)
  • Castleman病

治療薬

ヘルペスウイルスの治療薬のゴロ

あしばらがんばるねっ、と

あし→アシクロビル

ばら→バラシクロビル(アシクロビルのプロドラッグ)

~HHV1.2(HSV)とHHV3(VZV)で使用~

がん→ガンシクロビル

ばる→バルガンシクロビル(ガンシクロビルのプロドラッグ)

ねっと→ホスカルネット ※緊急時

~HHV5(CMV)で使用~

プロドラッグとは、代謝されると本来の薬の作用を示すもので、腸管吸収率が高くなるように改良したもの。

ちなみにHHV4(EBV)による伝染性単核球症は対症療法でOKです。

アンピシリンなどのペニシリン系で皮疹が出ますし、アシクロビルなどの抗ウイルス薬もむしろ悪化させるため禁忌です。

タイトルとURLをコピーしました