QT延長症候群とは
QT間隔(Q波の始まり~T波終わり)が延長します。
QT間隔の延長は、簡便にはRR間隔の中点にT波が被ることで判断します。
出典:111I69
QT間隔が延長すると、多形性心室頻拍(Torsades de Pointes)を生じ、さらにTdPは致死的不整脈(VFなど)を生じることが分かっています。
出典:104A27
したがって、QT延長症候群をきたす薬剤や電解質異常を知っておくことが大事です。
QT延長症候群の原因
QT延長症候群の原因には、
- 先天性(Romano-Ward 症候群、Jervell and Lange-Nielsen症候群)
- 電解質異常(低Ca・Mg・K血症)
- 抗菌薬(ニューキノロン系、マクロライド系)
- 徐脈
- 向精神病薬(抗精神病薬、抗うつ薬)
- 抗不整脈薬(Ⅰa群:プロカインアミドなど、Ⅲ群:アミオダロンなど)
などがあります。
特に、原因薬剤の中止や電解質の補正を行うことで、QT延長は解除されるということを押さえておきましょう。

ホリカ
低Ca血症、低Mg血症、低K血症は相互に合併しやすいんだよ。押さえておくといいかもね!
QT延長症候群の原因の語呂合わせ・覚え方
定価の:低Ca血症
マッ:低Mg血症
ク:低K血症
ニュー:ニューキノロン系抗菌薬
マック:マクロライド系抗菌薬
プロに:プロカインアミド(Ⅰa群抗不整脈薬)
オーダー:アミオダロン(Ⅲ群抗不整脈薬)
せい:抗精神病薬
QT延長症候群の治療
- 先天性:β遮断薬の静注
- 二次性(薬剤など):原因薬剤の中止+硫酸マグネシウムの静注