乳腺疾患の特徴
「N」と「S」で覚える
片側or両側性
「NとSの両方がある=両側性」
乳腺症(NyuSensyou)は、乳房が痛みを伴い両側性に腫脹する。
「Nのみ/Sのみ=片側性」
(乳腺)繊維線種(SeniSensyu)、(乳腺)乳管内乳頭腫(NyukannaiNyutousyu)は、片側に単発性の腫瘤を認める。どちらも痛みがないことも特徴。
乳頭からの分泌物ありorなし
「Nがある=乳頭(Nyutou)からの分泌物あり」
乳腺症(NyuSensyou)は主に漿液性、(乳腺)乳管内乳頭腫(NyukannaiNyutousyu)は主に血性の分泌物を認める。
(乳腺)繊維線種(SeniSensyu)は、乳頭分泌物なし。
好発年齢
「Sが多いほど若く発症」
(乳腺)繊維線種(SeniSensyu)=若年者
乳腺症(NyuSensyou)=30代~閉経前
(乳腺)乳管内乳頭腫(NyukannaiNyutousyu)=中高年
治療
上記の3つは良性疾患なので経過観察でOK。
(乳腺)乳管内乳頭腫は血性乳頭分泌物&中高年好発と乳癌に似ているので、必ず鑑別。
キーワードで乗り切る
急速に増大
(乳腺)繊維線種様だが急速に増大(とにかくでかい)してきたケースは、(乳腺)葉状腫瘍を疑う。
葉状腫瘍は境界悪性(良性と悪性の中間)ということもポイント。
治療は外科的切除。
▼112D49「増大を認める左乳房のしこり」
乳首の見た目
乳房Paget病では、片側の乳頭~乳輪に紅斑やびらん(腫瘤はないが、表皮内癌なので悪性)がみられる。
生検でPaget細胞(細胞質が明るい細胞)がみられ、治療は外科的切除。
▼106D27「左乳頭・乳輪部の変化」
妊婦
妊婦(特に初産婦)が両側性の乳房の圧痛を訴えていたら、鬱滞性乳腺炎を考える。
プラスして全身に炎症症状がある場合は、黄色ブドウ球菌などによる化膿性乳腺炎を考える。