こんにちは、ちちもげです。
質問箱で医学生が初期研修先を決めるイベント(マッチング)のコツを知りたいというご要望を頂きました。
大手予備校やマッチングサイトがだいたいのことはまとめているので、私は実際に体験して分かったことについて主に記しておきます。
第二弾も別記事にあるので、最後に紹介します。
病院見学の申し込み
まず、必ず公式HPから申し込むことをおすすめします。
マッチングサイトから病院見学申し込みのメールを送ることも出来ますが、病院によっては見ていなかったり、公式のフォーマットから申し込むように言われてしまうためです。
また、申し込みの時期は見学したい日の2か月前~2週間前ごろが良いとされています。
人気病院ではギリギリに申し込むと見学できる科や日程が限られてくるため、自分の予定が決まり次第、なるべく早めにメールを送りましょう。
個人的に感じたのは、事務の方が土日休みのことが多いので、週の前半(月曜日など)に送ると返信が早く、休みの間も間隔が空かないため、やり取りがスムーズに進むことです。
メールには、見学したい診療科と日付を、どちらも出来れば第三希望まで記載します。
病院見学は研修医と行動を共にするのですが、研修で必須でないマイナー科(眼科、皮膚科など)はその時期に選択している研修医がいないこともあります。
マイナー科を見学したい場合は、2年目の研修医が選択する可能性のある時期(春は×)に申し込むと見学できる可能性が上がると考えられます。
メールの書き方
最低限、正しい敬語を使うことと署名をつけることは守りましょう。
メールの書き方のマナーについては、大手マッチングサイト・レジナビのマナーレッスンというページが詳しいです。(会員登録すると読めます)
とにかく、書き方に困ったときに一人で考えてテキトーに書くのは絶対にやめましょう。
マナーサイトの例文を読んでみたり、第三者に一度目を通してもらうことをおすすめします。
お礼状
病院見学のお礼に関しては、一応直筆の手紙(お礼状)が推奨されているようですが、届くまでのタイムラグもあるので、私は翌日にメールすることで十分だと思います。
また、病院見学の最後に直接お礼状を渡す人もいるようですが、正直「書いてきた感」が拭えないですし、また当日書くにしても時間が取れるとも限りません。
より丁寧な印象を与えたいのなら、見学の際に宛先を伺い、後日手書きのお礼状を郵送しましょう。
病院見学当日の服装・持ち物
服装
基本はスーツで集合場所へ行って、ロッカールームで病院用の服装に着替えます。
女性は動きやすいように、スカートよりパンツスーツの方が良いでしょう。
病院での服装は、指定があればそれに従いますが、ジャケットを脱いで白衣を羽織る服装が無難です。
外科を見学する場合は「スクラブ+白衣」もなしではないと思いますが、白衣だけ持っていく方が荷物も少ないので、無難にいくことをおすすめします。
女性のスーツスタイルはヒールを履くと思いますが、病院内ではさすがによろしくないので、病院用の靴(スニーカーなど普段病院実習で履いてるもの)を持っていきましょう。
白衣はアイロンをかけて、靴も綺麗に磨いておきましょう。
持ち物
指定の物のほか、白衣、病院用の靴、student doctor カードの入った名札は必須です。
ボールペンとメモ帳も必ず持っていきましょう。後述しますが、病院見学で注目すべきチェックリストを印刷して持っていくのも良いでしょう。
交通費を負担していただける場合は、申請のための印鑑を忘れないように。
病院によっては、大学からの見学依頼書が必要なこともあるようです。
私が持っておいて良かったものとしては、白衣のポケットに入るサイズの飲みものです。
見学中はたくさんの人と話す機会が多いうえ、基本的にお昼まで飲食できないため、持っておくと安心です(飲むタイミングには気を付けましょう)。
内科を見学するなら(使用頻度は低いと思いますが)、聴診器も一応持っていきましょう。
病院見学のスケジュール
前述したように、希望した診療科で現在働いている研修医にくっついて1日を過ごすことになります。
マッチングフェアのブースや説明会で話すような内容を、見学の前に一通り教えてくれる病院もありました。
スタンスは病院実習(ポリクリ)の時と同じで大丈夫ですが、普段より周囲に気を配り、なるべく良い印象を持たれるように心がけましょう。
病院見学のよくあるQ&A
どの科を見学したらいいか?
「救急外来での忙しさは研修医の忙しさを表す」とも言われており、一般的に初回は救急科が推奨されています。
しかし、救急車搬送患者数や救急外来患者数などで、その病院の忙しさはある程度測れてしまうので、「忙しさ」だけを見にいくつもりなら、別の科をおすすめします。
私のおすすめは、その病院が強いとされている内科の見学です。
まず、内科は外科と比べて、先生方と話す機会も多く取れますし、オペがないので細かなスケジュールが決まっておらず、行動の融通が利きやすいです。
また、「強い」とされているだけあって、先生方も学生に対して熱心にいろいろ教えて下さることが多い印象です。
2回目以降は、研修医採用担当の先生の診療科もおすすめです。
どんな研修医を求めているのか、どういう研修をしてほしいとと思っているのかなど、採用担当の先生からしか聞けない情報も多く存在します。
中心人物に顔を売っておくと、何かと有利にはたらくかもしれません。
病院見学で注目すべきものは?
病院のだいたいの情報はネット上で手に入りますので、私がぜひ注目して欲しいと思うのは「研修医を取り囲む人と研修医自身との関係性」です。
研修医と上級医、研修医とスタッフ、また研修医同士の関係などを、自分がその研修医の立場になることを想像しながら、注意深く観察しましょう。
病院見学では基本的に担当してくれる研修医としか話せないため、許可してもらえるなら、研修医部屋などにお邪魔して複数の研修医と話してみることをおすすめします。
特に、6年生で見学に行った時の1年目研修医は一緒に働く可能性がある人たちですので、仲良くなっておいて損はないと思います。
加えて、履歴書や面接の対策などで困ったときに助けてもらえるかもしれませんので、出来れば研修医と連絡先を交換しておくと良いですね。
他に注目すべき項目としては、大手マッチングサイトなどが病院見学時のチェックシートなどを配布してるので、それを参考に聞いてみましょう。
→レジナビのチェックシート(PDF)
手土産は必要か?
見学した診療科や担当してくれた事務の方に、手土産を渡すべきかどうかという問題がありますが、私は渡しても良いと思います。
そもそも病院見学自体は無料ですし、交通費まで出していただけるのであればなおさら、お気持ち程度のものでいいので渡すべきと私は考えています。
ただ、賄賂や媚とみなされないように、臨機応変にすべきポイントではあります。
遠方へ見学に行く人(地方医学部から地元に戻るUターン組など)は、自分の地域のお土産も一緒に持っていくと喜ばれるかもしれません。
マッチングに関する書籍は?
TECOMが毎年発売している「ハローマッチング」という書籍がロングセラーですので、ネット上の情報だけでは不安な方は購入しましょう。
この本の魅力は、過去10年分の受験者からの情報(過去問)が掲載されることです。
特に小論文や集団面接がある方は、過去のテーマが練習に使えるので、ぜひ購入をおすすめします。
また有名な「まとめてみた」シリーズにも、マッチング対策本がありますね。
まとめ
病院見学は、その病院のことを知る機会だけでなく、マッチングに向けて自分を売れる機会でもあります。
しかし、病院には年中(特に夏休み)多くの学生が訪れますので、その中で自分を覚えてもらうことはなかなか難しいことでもあります。
丁寧に、真面目に、自分の魅力を少しでも伝えてきてください。
また就活と同じで、マッチングはマナーが色々と細かく設定されています。
悪目立ちしないためにも、面倒くさがらずに、ひとつひとつこなしていきましょう。
後輩たちが本当に行きたい病院を見つけられるよう、私も応援してます!
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