SJSとTEN
Stevens-Johnson 症候群(SJS)とTEN(中毒性表皮壊死症)は、ともに薬剤服用後数日で、紅斑、びらん、水疱(粘膜にも)を生じる病態です。
皮膚症状以外では、熱傷と似たような症状をきたし、高熱、関節痛のほか、急性結膜炎損などの視力障害をきたします。
治療は両者とも副腎皮質ステロイドの全身投与です。
TENとSJSの違い
日本では、体表面積の10%未満に症状があるものをSJS、それ以上のものをTENとします。(海外ではTENは30%以上で、10~30%を両者のオーバーラップとする)
TENではNikolsky現象が陽性となります。(SJSでは陰性)
またTENでは、IV型アレルギー機序が推定されており、(症状安定後に)パッチテストが有効となる。
おまけ:薬剤性過敏症症候群(DIHS)
薬剤性過敏症症候群(DIHS=drug-induced hypersensitivity syndrome)では、薬剤へのアレルギー反応とヒトヘルペスウイルス 6 型(HHV-6)の再活性化により、全身に紅斑がみられます。
薬剤を内服してから2~6週で発症し、薬剤中止後も2週以上遷延するのが特徴です。
カルバマゼピンやアロプリノールなどが原因薬剤として知られています。