皮膚科の検査
硝子圧法〈ガラス圧迫法〉
ガラス板で皮疹を圧迫し、色調変化をみる検査。
紅斑(真皮の毛細血管拡張)は消退するが、紫斑(真皮の出血)は消退しない。
皮膚描記法
健常皮膚を擦過すると、赤色または白色の膨疹を生じる現象。
ゴロ「吐く跡赤いZIMA」
吐く→白色
跡→アトピー性皮膚炎
赤い→赤色
ZIMA→蕁麻疹
※ZIMA(お酒)を飲んで血を吐いたイメージ
Darier(ダリエー)徴候
皮疹部を擦過すると、膨疹を生じる現象。
ゴロ「ダリ―、暇」
だりー→Darier徴候
暇→肥満細胞腫(色素性蕁麻疹)
Auspitz(アウスピッツ)現象
鱗屑を剥離すると、点状出血が生じる現象。
ゴロ「アウシュビッツ収容所の看守」
アウシュビッツ収容所→Auspitz現象
看→(尋常性)乾癬
守→(点状)出血
Nikolsky(ニコルスキー)現象
健常皮膚に摩擦を加えると、簡単に表皮が剥離する現象。
ゴロ「点々出来て先生にコールSOS」
点々出来て→天疱瘡&中毒性表皮壊死症(TEN)
先生→先天性表皮水疱症
にコール→Nikolsky現象
SOS→ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)
Kobner(ケブネル) 現象
健常皮膚に刺激を加えると、病変部と同様に変化する現象。
ゴロ「寝るよ、青年は閉館時間まで」
寝るよ→Kobner現象
青年は→青年性扁平疣贅
閉→扁平苔癬
館→乾癬
時間まで→自家感作性皮膚炎
Tzanck(ツァンク)試験
水疱を破り、中の細胞を顕微鏡で観察する。
天疱瘡やヘルペスなど、水疱症全般に有効。
針反応
皮膚に針を刺すと、 24~48時間後に無菌性膿疱を生じる。
Behcet病でみられる。
※針を刺さなくてもみられる無菌性膿疱=掌蹠膿疱症
KOH(苛性カリ)法
採取した病変に水酸化カリウム(苛性カリ)を加え、加温し、角質を融解させて鏡検する。
標本にカバーグラスをかけてから溶液を横から染み渡らす(KOH溶液の滴下時に標本が逃げてしまうため)。
真菌症(白癬、カンジダ、癜風など)や疥癬で有効。
ダーモスコピー試験
ダーモスコープにゼリーをつけ、病変を拡大して観察する。
悪性黒色腫と色素性母斑(ほくろ)・脂漏性角化症の鑑別に有効。
最(少)小紅斑量試験(MED)
UVAとUVBに分けて光線を照射し、皮膚に紅斑を生じさせる最小の光線量(と原因波長)を調べる検査。
光線過敏症(色素性乾皮症、晩発性皮膚ポルフィリン症など)で有効。