侵入奇胎と絨毛癌とは
侵入奇胎と絨毛癌は、どちらも胞状奇胎後に絨毛成分が増殖することでおこる病態です。
胞状奇胎後で子宮内容除去術を受けた後に、再びhCG高値になることがキーワードです。
補足:胞状奇胎とは
受精が上手くいかず、精子同士、または卵子と2つの精子(合わせて3つ)で受精してしまうことで発生します。
精子同士での受精(2倍体)で出来る胞状奇胎を「全」胞状奇胎、卵子と2つの精子の受精(3倍体)で出来る胞状奇胎を「部分」胞状奇胎といいます。
部分胞状奇胎は(異常だが)卵子と精子が揃った受精であるため、胎児成分が発生することが特徴です。
侵入奇胎と絨毛癌の違い
臨床的な鑑別点としては、再びhCGが高値になる時期が、6か月以内であれば侵入奇胎、6か月以降であれば絨毛癌というものが有名です。
※111A21、子宮内容除去術から6か月以内にhCGが再び上昇=侵入奇胎
また、侵入奇胎は胞状奇胎からしか発生しませんが、絨毛癌は正常妊娠に続発することもあります。
加えて絨毛癌は骨盤外への浸潤や、肺への転移をおこしやすいです。

ホリカ
侵入奇胎よりも絨毛癌の方が、「悪い」イメージだね。
侵入奇胎と絨毛の治療薬
ゴロ「チンポアクメ」
チン→ビンブラスチン
ポ→エトポシド
アク→アクチノマイシンD
メ→メトトレキサート
解説
第一選択は多剤併用化学療法による治療です。
※放射線療法は無効
ちなみにアクチノマイシンは、名前からも連想できる通り抗菌薬のひとつですが、抗癌作用を有することが分かっています。