VHL病とは
Von Hippel-Lindau病(フォン・ヒッペル・リンドウ)病は、3番染色体に存在するVHL遺伝子の異常によって様々な腫瘍を発症する常染色体優性遺伝〈AD〉疾患です。

ホリカ
2019年に低酸素誘導因子(HIF)の発見がノーベル生理学・医学賞を受賞したのは記憶に新しいよね。VHL遺伝子産物はHIF-αの分解に関連しているみたいだよ。
また、VHL遺伝子はがん抑制遺伝子に当たります。
VHL病の症状
VHL病では、以下の腫瘍がみられます。
- 腎細胞癌
- 中枢神経系(小脳半球・脳幹・脊髄)の血管芽腫
- 網膜血管腫
- 褐色細胞腫
- 膵神経内分泌腫瘍〈P-NET〉

ホリカ
血管腫と血管芽腫は異なるものだから注意だよ。
VHL病でみられる腫瘍の語呂合わせ・覚え方「ジンジンする怪我、もう引っぺがす」
ジンジンする→腎細胞癌(+腎嚢胞)
怪我→中枢神経系の血管芽腫
もう→網膜血管腫
引っぺ→Von Hippel-Lindau病
が→か→褐色細胞腫
す→膵神経内分泌腫瘍〈P-NET〉(+膵嚢胞)
練習問題:103I24
腎細胞癌で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 肺転移を起こしやすい。
- VHL遺伝子異常が関係する。
- 腫瘍塞栓が大動脈へ進展する。
- 転移巣の手術摘除は行わない。
- 長期透析症例では腎部分切除術を行う。
a,b