消毒薬の種類
消毒薬は強さによって、高・中・低の3つの水準に分けられます。
水準ごとに整理すると、
- 高水準消毒薬:グルタラール、フタラール、過酢酸
- 中水準消毒薬:エタノール、次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード、オキシドール、クレゾール
- 低水準消毒薬:ベンザルコニウム、クロルヘキシジングルコン酸塩、両性界面活性剤、アクリノール
などの種類があります。
消毒薬の有効範囲
一般的な細菌やウイルスに対しては全て有効ですが、
- 低水準消毒薬は結核菌に無効
- 次亜塩素酸以外の中水準消毒薬はノンエンベロープウイルス※1 に無効
- 芽胞形成菌※2 に有効なのは高水準消毒薬のみ
という特性を持ちます。
※1:ノロウイルスなど(詳しくはノンエンベロープウイルスのゴロ合わせ・覚え方)
※2:ディフィシル菌など(詳しくは芽胞形成菌のゴロ合わせ・覚え方)
消毒薬の使い分け
手指衛生
一般的な手指衛生には、70~80%エタノールを使用します。
病院内消毒
病院内の医療器具、リネン、トイレ、血液などが付着した床、便器などの消毒には、亜塩素酸ナトリウム(ミルトン®、ハイター®、サンポール®)を使用します。
エタノールと異なり、次亜塩素酸ナトリウムはノンエンベロープウイルスにも効果を示します。
また、内視鏡などの体内に入るような医療機器には、ノンエンベロープウイルスに加えて芽胞形成菌にも効果があるグルタラールを使用します。
外科手術
外科手術での皮膚消毒には、ポピドンヨード、エタノール(ハイポエタノール®)を使用します。
特に、顔や粘膜など刺激に弱い部位には、ベンザルコニウム(オスバン®)、クロルヘキシジングルコン酸塩(ヒビテン®)を使用します。

ホリカ
Creutzfeldt-Jakob病〈CJD〉の脳外科手術で使う消毒薬はドデシル硫酸ナトリウム〈SDS〉だったね。SDSは低水準消毒薬の界面活性剤にあたるよ。