MLF症候群とは
MLF(内側縦束)は、橋~中脳に存在し、左右の動眼神経(Ⅲ)と外転神経(Ⅵ)をつないで眼球の協調運動を司っている神経線維です。
例えば、MLFが障害されると
- 健側方向を偏視したとき、
- 患眼は内転できない
- 健眼は外転可能(ただし眼振をおこす)
- 患側方向を偏視したときは正常
- 輻輳(より目)は可能
という特徴的な症状がみられます。
左右の眼が違う方向を向くので、自覚症状として複視をきたします。
MLF症候群の原因には、脳動脈瘤や多発性硬化症〈MS〉などがあります。
MLF症候群の症状の語呂合わせ・覚え方
MLF:MLF症候群
けっこう:健側方向の偏視
かん:患眼
ない:内転障害
おまけ:one-and-a-halh 症候群(核間性眼筋麻痺)
MLF症候群に同側のPPRF(傍正中橋網様体)の障害が加わった病態です。
具体的には、
- 健側方向を偏視したとき、
- 患眼は内転できない
- 健眼は外転可能(ただし眼振をおこす)
- 患側方向を偏視したとき、
- 患側は外転できない
- 健眼は内転できない
- 輻輳(より目)は可能
という症状がおきます。

ホリカ
例えば、「両側のMLF症候群」と「右側のone-and-a-halh 症候群」の症状の違いは分かるかな? MLF、けっこう分かんないね…。