原発性脳腫瘍
症状
脳腫瘍は
- 頭蓋内圧亢進症状(起床時の頭痛、悪心・嘔吐、うっ血乳頭による視力障害など)
- けいれん
- 脳局所症状
のような症状が、慢性かつ進行性に現れるのが特徴です。

ホリカ
ちなみにCushing現象(血圧上昇+徐脈)は、頭蓋内出血などでみられる急性の頭蓋内圧亢進症状だよ。混ざらないように注意!
頻度
原発性脳腫瘍は、
- 髄膜腫(25%)
- 下垂体腺腫(15%)
- 膠芽腫(12%)
- 神経鞘腫(8%)
- 中枢神経系原発悪性リンパ腫(5%)
の順に多くなっています。
脳腫瘍全体では、原発性が75%に対して転移性が15%を占めます。
悪性度
脳腫瘍の予後は、生検後の病理像の悪性度(Grade)で決まります。
Grade1は良性腫瘍、Grade2~4は悪性腫瘍です。
特に悪性度の高いもの(Grade4)には、
- 膠芽腫
- 髄芽腫
- 胚細胞腫
- 中枢神経系原発悪性リンパ腫
などがあります。
好発年齢
小児と成人で、発症しやすい脳腫瘍の種類が異なります。
特に小児で発症しやすいものには、
- 髄芽腫
- 毛様細胞性星細胞腫
- 胚細胞腫
- 頭蓋咽頭腫
- 上衣腫
などがあります。

ホリカ
細かいことだけど、「毛様細胞性星細胞腫」はGrade1で小児好発、「びまん性星細胞腫」はGrade4で成人好発だよ。★に惑わされないでね。
好発部位
脳腫瘍には以下のように、好発部位があるものがあります。
- 視床下部~下垂体→頭蓋咽頭腫(@小児)、下垂体腺腫(@成人)
- 松果体→胚細胞腫
- 小脳半球→毛様細胞性星細胞腫(@小児)、血管芽腫(@成人)
- 小脳虫部→髄芽腫
- 小脳橋角部→神経鞘腫
特に好発部位が同じだが 好発年齢が異なるものは、問われやすいかと思います。
好発部位は、名称を覚えるだけでなくCTスライス上で位置を同定出来るようにしておきましょう。
▼103A28 頭蓋咽頭腫
▼108I77 胚細胞腫
▼105D30 血管芽腫
▼101D45 髄芽腫
▼107D51・110A28 神経鞘腫
画像所見
- 石灰化→頭蓋咽頭腫などの良性腫瘍に多い
- ring enhancement→膠芽腫、転移性脳腫瘍、脳膿瘍
脳腫瘍の特徴のゴロ合わせ・覚え方
好発年齢と悪性度
好発年齢と悪性度については2×2の表にまとめてイメージを掴む方法がオススメです。
- 良性×小児=毛様細胞性星細胞腫、頭蓋咽頭腫
- 悪性×小児=胚細胞腫、髄芽種
- 良性×成人=血管芽腫、下垂体腺腫、髄膜腫、神経鞘腫
- 悪性×成人=膠芽腫、悪性リンパ腫
その腫瘍が2×2のどこに所属するかを思い出す練習を繰り返しするとすぐ覚えられますよ!