医療面接での質問の語呂合わせ・覚え方
患者を「刺激で泣かせろ!」
患者を
し:主訴
げ:現病歴
き:既往歴
で
な:内服歴
か:家族歴
せ:生活歴
ろ:ROS〈review of systems〉

医療面接の質問は「OPQRST」「かきくけこ」などが有名だけど、患者さんによって聞きたい内容は変わってくるから、聞く順番と大枠だけ掴むこの語呂合わせがおすすめだよ。
解説
主訴
例)主訴:上腹部痛
来院となった主たるきっかけを聴取する。
現病歴
例)現病歴(患者本人から聴取):2020年12月12日より上腹部の不快感が出現し、13日(本日)水溶性の下痢と嘔吐を1回認めたため、救急外来を受診した。
来院に至るまでの経過を時系列で聴取する。
患者本人以外から聴取した場合は、「救急隊から聴取」「家族から聴取」のように記載する。
既往歴
例)既往歴:高血圧(〇〇医院かかりつけ)、虫垂炎(2010年××病院にて虫垂切除、輸血なし)、アレルギーなし
終診となった過去の病気以外にも、現在も罹患している病気(併存歴)も含めて聴取する。
併存歴はかかりつけ医も確認しておく。
手術をしたことがある場合は、時期、手術場所、手術内容、輸血有無も聴取する。
薬や食べ物のアレルギーも、ここでまとめて聴取する。
内服歴
例)アムロジピン2.5mg 2T 1× 朝食後(〇〇医院より)
内服歴は、口頭聴取ではなくお薬手帳を確認させてもらうようにする。
薬名だけでなく、薬量、分散、いつ飲むか、どこから処方されているかまで確認する。
忘れがちだが、サプリメントや漢方の服用も聴取する。
家族歴
例)家族歴:父が脳梗塞で死亡(享年88歳)、母は大腸癌(存命)、周囲に感染徴候なし
遺伝性疾患を疑っている場合は血縁関係、感染性疾患を疑っている場合は同居人や職場で、それぞれ病気のある人はいないか聴取する。
生活歴
例)生活歴:ADLフル、母と二人暮らし、無職、機会飲酒、20歳から現在まで煙草1箱/日、最終食本日18時
ADL〈Activities of Daily Living〉は、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴と分けて細かく聴取する。
一般的には、ADLに加えて職業、同居人と家族構成、健診での異常指摘、嗜好歴(酒・たばこ)などを聴取する。
介護を受けている場合は、介護度、介護サービスの利用頻度、KP〈key person〉を聴取する。
また、女性の場合は聞きづらいことだが、婦人科系(月経、妊娠、出産)も必ず聴取する。
ROS
例)ROS(+):食欲低下、下痢、嘔気
ROS(-):体重変化、発熱、不眠
ROS〈review of systems〉では、全身状態(General)を含め、一見主訴と無関係そうなことも体系的に聴取する。
カルテには、陽性所見(+)と陰性所見(-)に分けて記載すると分かりやすい。